日本大学文学研究科社会学専攻(社会学コース)の大学院生または進学を検討されている方で、特に濱本を修士論文の主査に指定することを予定・検討している方への情報を掲載しています。
本研究室は、教育社会学、とくに教育機会の階層間格差をメインの領域としています。社会調査データを用いた統計分析による仮説検証、または数理モデルを用いた社会事象のメカニズム解明の方法を通じて、現代日本の教育現象について実証的・理論的にアプローチします。
濱本を主査とする場合は、計量または数理社会学の手法を用いて84,000~168,000字程度(1,400字詰原稿60~120枚)の修士論文を執筆・提出します。濱本自身は教育社会学、特に教育機会の階層間格差の生成メカニズムを中心とした研究を行っています(詳細は研究活動 へ)が、修士論文の領域はこれに制約されません。家族・労働・社会意識など幅広い社会学的関心の中から、大学院生と議論の上でテーマを選択します。
研究方法は数理社会学または計量社会学的方法を採用します。数理社会学は、社会現象を数理モデルで記述しその数学的な振舞いから現象を理解しようとする方法であり、修士課程では現象記述のモデル作成に加えてシミュレーションや経験データとの符合を通じたモデルの妥当性の評価までのレベルが求められます。
計量社会学は良質なデータを用いた統計分析によって社会の構造や変動を理解する方法で、修士課程では線形回帰分析のレベルを超えて、カテゴリカルデータ分析、マルチレベルモデル等のやや高度な統計モデルの適切な利用を含みます。
なお、インタビュー調査や参与観察のようないわゆる質的データを用いた研究については、濱本はある程度(学部基礎レベル)の指導は可能ですが、修士論文レベルの専門性を持っていないため、これのみでの研究はできないものと考えてください。また、修士課程のうちに自身で社会調査を行う場合は、社会調査法をきちんと修得したうえで代表性、信頼性の高いデータを作成することが求められます。社会調査法に基づかない調査データを用いたり、SNS等を利用した拡散型のアンケートを用いた研究は本研究室では認められませんので注意してください。
大学院の指導方針については、下記に詳述しています。濱本を主査に指定することを検討している方は、下記をよく読んだうえで判断して下さい。
大学院生は4月中旬ごろに社会学コースの教員(特任教授を除く)から修士論文の主査を1名、副査を1名選び、その教員の指導の下で研究計画を立て、修士論文を執筆します。教員ごとにメインの研究分野や採用する研究手法が異なりますので、入学時に配布される教員紹介文をよく読んで判断してください。
当研究室での研究を希望する人には、主査決定前および決定後に指定の文献の要約課題を出しています。
濱本を修士論文の主査に指定する際は、「事前指定論文一覧」に記載の論文を入手し、内容を500字程度でまとめたうえで、研究計画(研究テーマ、仮説、用いるデータ、研究スケジュール、副査の役割など)を簡潔にまとめて、主査選択希望書類に先立って濱本まで提出してください。文献は社会学科内で入手可能です。副査として指定する場合は必須ではありません。
また、濱本を主査に指定した大学院生は、研究テーマに関わらず、修士1年次終了時点までに下記「必読文献一覧」の文献全てに目を通し、内容および論文から得られる論点を各800字程度でまとめて、前期1年修了時(3月31日)までに提出してください。
<aside> 📎 事前指定論文一覧