<aside> ☝🏻 基本情報
教員:濱本真一(准教授)プロフィール↗
教室:134
時間:火 10:40-12:10
Email:hamamoto.shinichi[at]nihon-u.ac.jp
オフィスアワー:火曜4限(本館3階03350)
大学公式シラバスはこちら↗
</aside>
<aside> 💡 履修者用のページ
</aside>
<aside> 💡 履修者以外も含めたお知らせをここに記載します。
</aside>
本講義では、高校までの数学の復習に併せて、社会に関する数理モデル作成で多く用いられている数学的手続きの基礎(行列・微積分・確率分布)について学習する。さらにこれらがどのような意味を持ち、社会現象の記述にどう応用できるのかを重点に解説し、数理社会学への前途を拓く。
数理社会学は、個人の選択や行動を数学的に定式化(モデル化)し、数学的な操作によって生じる社会を観察・予測する学問分野である。数理モデルに用いた仮定が妥当ならば、それ以降の論理展開に一切の偏見をはさむことなく、純粋に数学的なロジックによってのみ議論が展開される、社会学の中でも最も抽象度の高い分野である。
数理社会学の面白さは、社会現象の中に隠れた普遍的な法則を発見しようとする学際的な視点にある。社会学で扱うテーマは人間の社会生活に密接に関わるため、その研究は必然的に人文社会科学的な側面を強く持つ。数理社会学はそうした人文社会科学的な視点に加えて、社会科学としての普遍性を追求するための数量的、論理的な分析手法を用いる。そこには、現象を観察して仮説を構築し、論理と実証によって現象を理解するという「科学」に求められる性格が強く意識されている。これらの方法を用いることによって、目の前にある研究対象を越えて、社会現象の本質的なメカニズムを抽出し、一般的な理論を構築する可能性が生まれる。
数理社会学が用いる数学は、大学の初等レベルの数学(微積分・線形代数・微分方程式・離散数学)が一般的であるが、中には多少高度な数学(複素関数・群論・ベクトル解析)を必要とするものもある。高度な数学を習得することには困難が伴うが、その困難さゆえに、数理社会学が社会現象の奥深さに迫れる可能性も秘めている。
高校までの数学では、主に決められた手続きを用いて、解を素早く求めることを重視しているが、数理社会学ではあくまでも社会を記述し・理解するための道具として数学を用いる。そのため、行列や微分などの問題を解くことよりも、それぞれの計算が「何をしているのか」を理解し、数学的な手続きによって社会のどのような側面を記述できるかを考察することが非常に重要になる。